●ことぶき町について●
横浜に、「ことぶき町(寿町)」と呼ばれるドヤ街があります。
300メートル四方ぐらいの狭い地域に、いわゆるドヤ(簡易宿泊所)が軒を連ね、2004年5月現在その数112軒に及びます。(*2011年現在ドヤの数は126軒)
規模としては、釜ヶ崎、山谷に次ぐもので、人口は約6500人です。
この町は、戦後すぐ進駐軍に接収され、そして昭和29〜30年にかけて接収解除、無人の草原地帯として返還されました。
その跡地に、当時需要の多かった日雇労働者のための簡易宿泊所が、短い年月のうちに一気に建設され、町はほぼ純粋なドヤ街となりました。
それから約四五年がたち、ドヤ街に住む人々の中身は随分と変化してきましたが、ドヤ街としては、衰えることなく、むしろここ数年、新・改築が進んでいる状態です。
昔に比べて、日雇労働は圧倒的に減少し、ドヤ街に住んでいても日雇労働で食べていけている人たちはごく一部になってしまいました。
その代わり、老人、障害者、病人等が増えました。また、失業のために一般地域に住めなくなってホームレスになったり、ドヤ街に来ざるを得なくなったと思われる人たちも近年増えてきています。